ヤナセクリニックは三重県津市にある産科・婦人科の医療機関です
このコーナーは一ヶ月に一回くらいのペースでアロマセラピーに関わる様々な事を連載していく予定です。よろしくお願いします。
精油の紹介 1
これからは,よく使われる(私も良く使っている)精油についてお話していきましょう。
ただし,妊娠中や乳幼児に精油を使う場合は,アロマセラピーの知識が豊富な医師や助産師,看護師に相談してから使うようにしましょう。
真正ラベンダー Lavendula augustifolia
ラベンダーは,シソ科の植物で地中海地方に野生しています。現在は,野生ラベンダーは少なくなり,イギリス,フランスなどで栽培されています。
ラベンダーは,アロマセラピーで最もひろく使用されているといってよいでしょう。ラベンダーは,古くから治療に用いられています。ローマ人はラベンダーの殺菌作用を利用して,ラベンダーを浴槽にいれ,傷口を洗いました。フランスの化学者ガットフォセは,自分の火傷の治療にラベンダーを使い,劇的な創傷治癒効果を経験しました。
ラべンダーの主要成分は,酢酸リナリル35%,リナロール35%,酢酸ラベンディル5%,シスβオシメン4%,テルピネンー4オール2%です。リナロールのようなモノテルペノールには,抗菌作用,血管収縮作用,強壮作用,鎮静作用があり,酢酸リナリルのようなエステル類には,抗けいれん作用,鎮静作用,免疫調節作用があるといわれています。
ラベンダーには,次のような場合に効果を発揮します。精神的に不安定で心のバランスをとりたい時,不眠症の方,筋肉の痛みを和らげたい時,風邪などの呼吸器系の感染症,月経痛や分娩時の痛みを和らげたい時,皮膚の炎症を治したい時・・・
ただし,ラベンダーには血圧や心拍数を下げる効果があるため,低血圧の人に使用すると少し体がだるくなったり眠くなってしまうことがあるようです。また,妊娠初期には多量に使用しないほうがよいでしょう。