ヤナセクリニックは三重県津市にある産科・婦人科の医療機関です
このコーナーは一ヶ月に一回くらいのペースでアロマセラピーに関わる様々な事を連載していく予定です。よろしくお願いします。
精油の選び方について その1
精油を選ぶ時には,いくつかのチェックポイントがあります。品質の良い精油を購入することは,とても大切なことです。粗悪な精油は,皮膚トラブルの原因になりますし,期待する効果が得られない場合もあります。
1. 原料のハーブの学名,原産国を確認すること
2. 原料のハーブの収穫年月日,製造年月日,ロット番号が表記されていること
植物は同じ種であっても,日照や土壌,季節,産地など生育環境の影響を受けて,含有成分が大きく変わります。
シソ科の多くの植物は,地中海の温和な地方あるいは世界中の同様な気候の地域に生育してきました。好ましい温度帯は7〜24℃の間です。この共通の特徴とは別に,それぞれ特徴的な性質をもっています。バジルは,水はけがよく日当たりのよいところを好みます。クラリセージは乾燥した石灰土壌を好むので,土地が肥沃すぎるとエッセンシャルオイルは少ししかとれません。これに対し,レモンバームは肥沃な土壌を好み水が多すぎたり,少なすぎたりすることに敏感です。理想的な条件から離れると,作られるエッセンシャルオイルの量と質が低下してきます。植物の生育状態は,その年の天候に影響を受けるため,悪天候が続いて発育が悪い時や,最適な収穫時期でないと収油量が落ちます。
また,同じ精油から抽出し,形態学的には同じ性質をもっているのに,エッセンシャルオイルの成分組成が大きく異なるものをケモタイプといいます。エセンシャルオイルを購入するときは,どのケモタイプを購入使用としているのかよく理解することが大切です。成分組成が異なるということはオイルの期待する効果にも影響してくるからです。
ローズマリー・カンファーは,ケトン類のカンファーを主成分とし,肝・胆汁排泄促進作用,気分高揚作用,筋肉刺激作用,神経刺激作用があります。ローズマリー・ベルベノンはケトン類のベルベノンを主成分とし,去たん作用,粘液溶解作用,脂肪溶解作用があります。ローズマリー・シネオールはオキサイド類の1,8シネオールを主成分とし,去たん作用,抗菌作用があります。
(2003年1月27日掲載)